2014年9月15日

雇用・年金

賃金を上げる
『公契約条例』とは、「公共事業の現場で働く全ての労働者に対して、熟練労働者を基準とした賃金の最低基準額を条例(法)により保証する」制度です。
保育園、図書館など公共施設の指定管理、公共機関が発注する建設工事、ごみ収集や給食などの民間委託など広範囲にわたる労働者の職能を評価し待遇を守ることにより、わたしたちが受ける公共サービスの劣化を防ぎます。
業務委託を受けた業者が熟練労働者を配備しなければ、保育園やケア施設、建設現場での事故によって市民の命が奪われることを防げません。また行政が率先して職能に応じた賃金を労働者に支払わせることで、すべての労働者の賃金基準が引き上げられます。わたしたちの賃金が上がり、やりがいのある仕事がふえる「公契約条例」の早期制定を推進します。

・最低賃金が生活保護水準を下回る都道府県の最低賃金を早急に引き上げます。

・時給1000円で働いても生活が成り立たない地域があります。中小企業への支援を拡充し、十分に配慮をしつつ、最低賃金を段階的に引き上げ、時給1500円を目指していきます。ワーキングプアをなくします。

○ILO94号条約(公契約における労働条項)を批准し、入札に賃金、公正労働、環境、福祉、男女共同参画など)を含む総合評価による公契約条例を制定します。

・私たちの賃金が上がり、やりがいのある仕事が増える「公契約条例(法)」を早期に制定し、ケア労働や保育、建設労働などに熟練労働者を配備することによる事故防止とサービスの維持を推進します。

・保育士など給与の公定価格を底上げします。

・労働時間規制の適用から労働者を外し、残業代を不払いとする日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(自律的労働時間制度)の導入を許しません。
●解雇しやすく低賃金に押さえ込む「限定正社員」(職務や勤務地、労働時間を特定)の導入、残業代を払わない労働時間の適用除外制度、解雇の金銭解決制度、解雇規制の緩和など、現政権が進めている労働者保護制度の改悪を阻止します。

○「いのち」(介護、医療、子育て、福祉、教育)と「みどり」(農林水産業、環境や自然エネルギー)分野へ重点的に投資し、働きがいのある人間らしい仕事を創出します。
若者の就職・起業をサポートする
「二万社の大企業が登録されている就職サイトに、若者たちが三十万人ぐらいシートを何十回、何百回と出して応募していくと。これはどう考えてもミスマッチ。今インターネット上で若者が就職を探す時代ですので、そこの工夫を是非公的機関として、厚労省の出番でやっていただくよう申し上げます」」福島議員2012年の国会厚生労働委員会での質疑です。若者の就職マッチングを促進し、地元でやりがいのある就職先をつくる政策が社民党にあります。
○「高卒就職ジョブ・サポーター」、「大卒就職ジョブ・サポーター」を高校や大学へ派遣し、教育と雇用の連携を強化します。学校における職業教育を充実させます。

○ ジョブサポーターを公共職業安定所に配置し、適職選択のための情報提供、職業相談、職業紹介などの支援を強化します。

○卒業後3年間は新卒扱いとすること、通年採用の推進、新規採用人数の一定割合を既卒の若年層から採用する制度をの導入、します。

○トライアル雇用制度(短期間の試用期間を設けて特定の求職者を雇用し、両者が合意すれば本採用する制度)やジョブ・カードの活用によって正規採用を推進します。また、地域密着型の充実した対応ができるよう、商工会議所を積極的に活用します。

○ハローワークや自治体の労働部門、福祉部門、住宅部門等との連携を強化し、総合的な相談と支援(就労支援・職業紹介、生活・住宅・緊急貸付・多重債務対策、職業訓練など)のワンストップサービスやパーソナルサポートサービスを強化します。

○地域若者ステーションや公共職業安定所において、職業教育訓練制度、職業相談・職業紹介から職業定着に至るまでの一貫した支援を行い、トライアル雇用制度の積極的な活用により求職者と求人企業のマッチングを進めます。

・就職困難者の支援センターとハローワーク、各地域の若者サポートステーションの連携を強化します。

○若者就労支援を充実させるとともに、住宅手当の支給期間の延長と収入要件の緩和、雇用促進住宅の活用などを
はかります。

若者にとって魅力あっても就職の機会が少ない公的な職業訓練を見直し、地域に必要な職種や、自然エネ・省エネ産業に関する公的な職業訓練施設を整備します。

・中小企業基本法を改正し、中小企業の量的規定(定義)を細分化(中堅企業・中規 模企業・小規模企業)するとともに、中小企業対策予算を本予算の一般会計において 倍増し、きめこまかい予算配分を実施します。また自治体における中小企業振興条例 の制定を進め、地域に住む若者の就労機会の創出を促進します。

・企業の99%・雇用の7割を占める中小企業で働く人の職場を改善するために、大企業優遇の経産省の権限を減らし、中小企業庁の権限を拡大します。「子ども・若者省」 (仮称)と中小企業庁との連携を強化します。

若者、女性の仕事を創出
○市民や仲間が自ら出資して仕事をつく出し、みんなで経営に参画する「協同労働の協同組合」を推進します。
「人間らしく働き続けたい」という意欲を支援し、地域の仕事を生み出します。

○若者、女性、障がい者、高齢者の就労支援に積極的に取り組みます。企業や地場産業などと働く意欲のある人を
結びつける場をつくります。

○地域や社会に必要な仕事をつくろうとする起業家が集まり、互いに交流しながら事業を創造・成長させていく拠
点( インキュベーションオフィス)を地域につくります。NPOが軸となり、行政、金融機関、地元の商工会、大
学、専門性をもつ士業など、さまざまなネットワークをつなぎ起業の活性化を図ります。

○若者起業家(例えば35歳未満で新規開業5年以内等)に対して、設備投資や運転資金の低利融資を実施するなど、
若者の起業を支援します。(30歳以下で起業できる人は富裕層の子女という実態を踏まえて35歳以下に。)

○「いのち」(介護、医療、福祉、教育)と「みどり」(農林水産業、環境や自然エネルギー)の分野に力を入れ、高度な専門教育を受けた若者が就職できるようマッチングと人材育成支援に行政が努め、働きがいのある人間らしい仕事を作り出します。

○「いのち」、「みどり」の分野への重点的な投資により、サービスの向上、雇用の創出、地域経済の振興、将来不安の解消といった一石三鳥・四鳥もの投資効果をめざします。

●若い世代が希望を持って農業に取り組めるよう、青年農業者への長期無利子資金を拡充するとともに、第1次産業への若者の就労に対し給付金拡充で所得を支援します。

就農・介護で働きながら高度な専門教育過程の単位を取得することができる教育制度を検討し、実戦職能向上に伴う待遇改善を図ります。

○地域の特性を生かした地場産業の育成・まちづくりを推進し、地域雇用を拡大します。地域に根ざした農林水産、
福祉、環境分野など、生活関連分野の雇用創出の機会を拡大します。

○生活関連、対地域事業所関連のサービス業、住宅、まちづくり事業など、コミュニティをベースにした仕事づく
り(コミュニティ・ビジネス)を促進します。

○自治体の緊急雇用対策を推進します。社会・地域需要の高い、福祉、介護、子育て、保健、医療、教育、環境な
ど、地域の不可欠な公共サービスを中心に、地域に密着した雇用を創出するようにします。

○各自治体が臨時的な雇用・就業機会を創出するための対策(自治体による直接雇用、離職者等を雇用する民間会社等への委託・助成等)に対して交付税等で支援するよう求めます。

○消防職員の定員不足解消のために増員を図り、災害防止に努めます。あわせて、小規模雑居ヒル等防火対象物に対する違反是正指導等を支援する消防防災支援要員を確保するようにします。

【雇用を守る・劣悪な職場から若者を守る】
・雇用契約は、直接雇用、期限の定めのない雇用であることを原則とします。パート労働法、労働契約法、労働者派遣法を改正して、パート・契約社員・非常勤・嘱託・ 派遣など無限定に拡大しつづける有期契約(非正規)労働に歯止めをかけます。

・企業の採用サイトに、離職率や平均勤続年数の表示を義務付けます。悪質な労働条件を課すブラック企業の企業名を公表するとともに、労働基準監督署の監督体制を強化します。

・文化活動労働者の賃金・労働条件の実態把握と雇用環境の改善に取り組み、離職者の再就職を支援します。

・サービス残業やパワハラ、退職強要など、違法行為をはたらく企業の取り締まりを強化するとともに、企業名を公表します。

・勤務終了後、次の勤務開始までに最低11時間の労働解放時間を保障する「勤務間インターバル制度」の導入を検討します。

・整理解雇に関する4要件(整理解雇の必要性、整理解雇を回避するための努力、整理解雇の対象労働者の選定基準の合理性、対象労働者・労働組合への説明・協議)を雇用者に厳守させます。4要件に、雇用創出型のワークシェアリング(時間外労働・休日労働を削減し雇用を生み出して分け合う)を新要件として追加します。

○イギリスのTUPE(事業譲渡と雇用保護規則)やEUの企業譲渡指令にならった雇用対策を強化します。日本版TUPE法を制定し、事業譲渡や経営形態の変更、委託化、民営化による事業移転変更の際に、同じ雇用条件で継続して雇用されるように求めていきます。

○行政サービスにおける派遣労働者の導入に関しては、その当否について労使協議を前提とし、安易な派遣の拡大
や法令違反を排除します。

○高校生や若者を対象に学校や社会教育を通して、働く人を守るための労働基準法など、労働関係制度の履修をとりいれの出前講座を開きます。一人でも入れる労働組合を周知し、残業代未払い・パワハラ・セクハラ・育休切りなどが不法行為であることを知らせます。

○中高生によるいわゆる「JK散歩」については、年少者労働基準規則45条の特殊の遊興的接客業における業務に相当し、違法であること、性犯罪に巻き込まれる危険があることについて、中学高校の出張授業でとりいれるなど周知徹底を進めます。

改悪された労働者派遣法を改正する
労働基本法第6条(中間搾取の排除)
何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。


●仕事につくときに、他人が中間に介在して賃金の一部を取上げることは、いわゆるピンハネとして労働基準法第6条で禁止されています。 “一生涯派遣社員”をつくりかねない労働者派遣法案の改悪を撤回し、改正します。
●労働者の権利性が弱い派遣労働の拡大を許しません。派遣労働は臨時的・一時的なものに留め、直接雇用の原則を徹底します。
・改悪された労働者派遣法により合法化された「中間搾取」部分は、現在20〜40%となっている実態です。有料職業紹介同様にその「中間搾取」を10%以下にする法改正を行います。

・企業が派遣会社に支払う人件費は外注費として仕入れ税額控除の対象となります。節税対策として雇用の非正規化を促進する恐れがあるため、派遣社員の人件費における税額控除を見直します。

【非正規雇用の拡大にストップをかけ、正規雇用を増やす。】
「市場に任せれば良い、労使交渉で決めれば良い」という考え方では、労働時間は際限なく延びてしまうものなのです。この大原則をあっさりと捨ててしまうのは、若者にとっては地獄のようなものです。

国際労働機関 ILOのパートタイム労働法を知っていますか?
ILO175号条約(1994年)では、すべての短時間労働者を対象とし、
1)パートタイム労働は労働者が自由に選択すべきものである、
2)労働者の権利と労働条件は比較しうるフルタイム労働者と均等とすべきである、
などの原則が定められていますが、日本はこの批准を棄権したため、勧告を受けています。
時間あたりの賃金は同一で収入は労働時間比例であるのが国際基準です。
日本では非正規労働者への社会保険制度適用は週30時間から週20時間に拡大されましたが、若者が2カ所以上の職場に勤務せざるを得ないような制度悪用が懸念されます。
社民党はパートタイム労働に関して、以下の政策を提案します。

・ILOの175号パート労働条約を早期に批准します。短時間労働者とフルタイム労働者で時間あたりの賃金は同一で、社会保険など待遇は労働時間比例という国際基準に法改正します。双方の転換が選択できるなど、実効性ある正社員転換制度を組み入れます。

・EU諸国にならい「有期契約労働者であることを理由とした合理的な理由のない差別の禁止」を規定し、有期契約労働と正規労働者との均等待遇をすすめます。

【雇用における男女平等を徹底する】
・男女雇用機会均等法の改正に取り組み、目的、基本理念に「仕事と生活の調和」の平等保障を明記します。賃金を対象事項に含み、「間接差別禁止規定」を例示列挙し、「雇用管理区分」を超えた男女差別も禁止します。

・改正育児・介護休業法の全面施行を踏まえ、育児短時間勤務制度、所定外労働の制限、介護休暇の周知など、育児・介護と就業の両立について環境整備をすすめます。

・有期雇用労働者の育児休業取得は極めて低く、「産休切り」「育休切り」が増えています。育児介護休業法の有期雇用労働者の取得要件を削除し、希望者が仕事を継続できる環境を整備します。

・男女差別是正のための実効ある法整備、迅速に差別を改善するための相談窓口、救済機関の拡充、企業に対する指導の強化などの措置を講じます。積極的な男女平等実現策(教育研修や透明公正な処遇制度の構築、育児・介護支援、過去差別を受けてきた人へのサポート等)を講じ、差別をなくします。

・企業へのポジティブアクション(例えば、行動計画の策定や入札に際して行動計画策定の有無を考慮要素とする等)を義務づけ、女性が能力を生かせる環境づくりを行います。

・セクシュアルハラスメント(性的いやがらせ)、パワーハラスメント(権力や地位を利用したいやがらせ)の防止、禁止に取り組みます。
男女がともに仕事と家族的責任の両立がはかれるようワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を推進します。

・ILO雇用・職業についての差別待遇に関する条約(111号)、パートタイム労働条約(175号)、使用者の発意による雇用の終了に関する条約(158号)、母性保護条約(183号)の批准を推進します。

・ILO(国際労働機関)140号条約を批准し、職業上必要な技能の修得、地域社会活動への参加等を目的とする長期の有給休暇を推進します。

【連続休暇の推進で若者の余暇を充実させる】


有給休暇すら自由に取得できない違法労働を許さず、むしろ長期連続休暇の推進を行い、若者の余暇を充実させ、国内消費の喚起と景気回復の呼び水とする。

【世界に誇る国民皆保険を堅持、立て直します】
そもそも私たちの消費税というものは、保険制度改革に使われるはず。どこかに消えてませんか?年金額を生存権が維持出来るレベルまできちんと引きあげるはずだったのでは?

日本は経済規模では世界3位、「国民皆保険」も世界に誇る制度ですが、皮を一枚めくれば非常に貧弱な社会保障制度であることが露呈してきています。
年金の問題も深刻ですね。実は隠れた大きな問題は、非正規雇用が本格化した今の30代後半~40代代前半のひとたちが65歳を迎える20年後以降、どうなるのか、ということです。制度設計の問題でもあるのだけど、たくさんの人たちが無年金者や生活保護者になった時に、社会がそれに対してどう反応するのか気がかりです。おそらく国民の間で、”なんだあいつら。自己責任だろ”という意見が出てくるんじゃないでしょうか。まさに国民の”分断”が起きてしまうことを懸念しています。今から手を付けないと、20年後に気づいたときには、もう手遅れになってしまいます。

・すべての国民が各公的医療保険に加入し、いつでも、どこでも、だれでも安心して医療を受けられる国民皆保険制度を堅持します。同制度の崩壊につながりかねないTPPの導入を許しません。

・無保険者をなくし、医療を受ける権利を保障します。パート、アルバイトなどを含め、すべての被用者を組合健保または政管健保に加入させることを義務づけます。中小零細企業や個人事業主については、実態に即して、雇用主負担割合の減免措置を講じます。

・国民皆保険制度の趣旨から、資格証明書を義務づけた法律を廃止し、保険料滞納者であっても正規の保険証を交付する制度に変更します。

・国民健康保険料は、医療費を按分して負担を課す現行方式を見直し、所得に応じて累進的に負担する応能負担方式に改め、払える保険料にします。
・公費を投入して市町村国民健康保険の強化に取り組みます。保険料の減免制度を充実し、保険証の取り上げをやめ、無保険者をなくします。

〇重い国民保険料負担を軽減できるよう、非正規労働者に対する社会保険制度の適用を週20時間以下の労働者にも拡大します。

○公的年金の積立金は、被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持します。

〇国民皆保険制度の中心を支える市町村の国民健康保険制度に公費を投入し立て直しを図ります。

・子育て世帯の保険料負担を軽減できるよう市町村国民健康保険の保険料の算定方法の見直しに取り組みます。例えば18歳未満の子どもは被保険者人数から外し、その部分は国庫負担とすることなどを検討します。

・国民健康保険の都道府県単位の財政調整の強化により広域化を図るとともに、保険者機能の強化、財政の安定化、医療供給体制などの面から、市町村国民健康保険のあり方、健康保険の適正規模を検討します。
〇重すぎるい保険料負担を軽減できるよう、非正規労働者に対する社会保険制度の適用を拡大します。

○公的年金の積立金は、被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持します。最低給付部分(基礎年金)までをも株式運用に回している現状を許しません。

1 thought on “雇用・年金

  • 週20時間以上の労働者が社会保険に入ることは一歩前進なものの、悪用により若者にダブルワークが課される事が心配です。企業倫理を今こそ説いていくべきですが、ダブルワーク化を防ぐ政策は作れないものでしょうか。

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